見通しが甘かったようで、書き上がりませんでした。
加えて、普段の休みより創作に割けた時間が少なかったのも原因。
どういうわけか、予定外のことがいろいろあったんですよね。
更新はもう少し先になりそうです。
お詫びに
ショートストーリィです。
「過程は大事だと思うの」
放課後、大学の図書館で勉強していると、向かいに座った槙坂先輩がそんなことを言った。
「何の話かにもよるが、まぁ、概ね同意だ」
僕は問題を解く手を止めず、顔も上げずに答える。
今やっているのは数学。少なくとも数学の演習問題では、過程を書かず答えだけを書いたところでマルはもらえないだろう。
「それに恋愛も」
それも同意していいだろう。尤も、一部の小説では、出会った瞬間から好感度MAXのストーリィが好まれているようだが。現実の恋愛に煩わしさを感じている反動だろうか。
「藤間くんは脱がしながらと着たまま、どっちがいい?」
「……」
思わず手が止まった。おもむろに顔を上げる。
「何の話か聞いてもいいだろうか?」
もしかして彼女は図書館という場所にあるまじき話をしようとしているのではないだろうか。とは言え、その予想はあくまでも槙坂涼の過去の言動――前科から推測したもので、僕の勘違いという可能性もある。
「あら、それを女の子の口から言わせる気?」
「……」
予想通りだったか。
言える言えないの基準がさっぱりわからない。尤も、いつも通りの微笑みを見せているあたり、実際には平然とそれを口にしそうではある。
「キリカさんが言ってたの。ぜんぶ脱いだらもうゴールが見えてきたみたいで面白くないって」
「……」
「わたしもこれだと思ったわ」
思ったのか。またえらいところで共感したな。そして、そこから先の質問につながるわけか。
と、そこで彼女が書店のカバーがかかった本を読んでいることに気づいた。
「失礼」
「あ」
無性に気になって槙坂先輩の手からその本を引き抜くと、彼女は小さな声を上げた。
本をぱらぱらとめくってみる。
「……」
思わず瞑目してしまった。コスプレがどうのとか、衣装の選び方や購入方法がこうとか。実に頭の痛くなるような内容だった。
頭痛を堪えつつ槙坂先輩を見る。
「誤解よ」
たぶん非難めいた視線になっていたのだろう。槙坂先輩が咄嗟にそう口にした。
「何が?」
「いきなりこういうことをするつもりはないし、ちゃんとそのときは理解を得るつもりだったの」
とりあえず、よくわからない言い訳は無視することにする。
「……因みに、この本は?」
「キリカさんから借りたの」
諸悪の根源はあの人か。思わずため息が出る。
「よかったら藤間くんも読む?」
「けっこうだ」
喰い気味に答えた。
こんなものを鞄に入れて学校を歩けるか。見つかったら罪状が一気に増えそうだ。それにこれを借りたことがキリカさんに知られたら、いったいどんな顔をして『天使の演習』に行けばいいのやら。
「ところで、藤間くん。最初の質問に――」
「戻らなくていい!」
もうこれ以上僕が憧れる図書館を汚さないでほしいのである。
因みに、ぜんぶ脱いだらゴール云々の件(くだり)は、某女性歌い手様が生放送で言っていたことで、真っ昼間だったこともあり視聴者から「おい、やめろ」の大合唱でした。
大笑いしました。
本日のweb拍手レス〜♪(6日20:30までの分)
−5日−
21時〜
マニュアル作りですか・・・若気の至りで色々やらかしましたが、結局Simple is bestということで、如何に文章を簡潔に書くかに注力しています。
だいたいそんな感じになりますよね。マニュアルなんてダラダラ書いても仕方ないし、むしろできるだけ箇条書き機能を使うほうが見やすくなる気がします。
>>ゆうにゃんさん
ジャンルの偏りもそうだけど、奴隷、ハーレムなんて言葉が躍っているのを見ると、内容自体もそうとうおかしくなっている気がしますよね。大手レーベルなら従来路線も混ぜて刊行する余裕はありそうですが、小さいところは売れ筋のほうに偏らざるを得ないのでしょうね。
23時〜
今さらですが、僕はナツコさんが大好きです。ぜひ、短編を……
いや、シャーベット!はもう終わったので。何かの気まぐれで主役ふたりの話を書くことはあるかもですが、さすがにナツコさんを書くことはなさそうです。すみません。
−6日−
18時〜
昔は右を向いても左を向いても学園(ハーレム)ラブコメだったりしたのに、時代の潮流って怖いですね。
何かひとつ売れると、読み手も書き手もそれを追いかけるから、そういう移り変わりが発生するのでしょうね。いちおー需要と供給のバランスはとれてるのかな?