読了

ヴィランズテイル 有坂有哉と食べられたがりの白咲初姫』(綾里けいし)、読了。

 

ある日、有坂有哉のもとに『食糧』と書かれた宅急便が送られてきた。
中に入っていたのは『淑女』と呼ばれるクラスメイト、白咲初姫で――。
彼女は言う。
「私を、食べてほ欲しいんです」
彼女は姉を殺し、内蔵を食べた犯人を有哉だと疑っていて、その有哉に自分も食べてほしいのだという。
自分は犯人ではない。しかし、『有坂家(モンスターファミリー)』と呼ばれる兄や妹たちは疑わしい。
それでも有哉は推定無罪を前提に、初姫が納得する兄妹以外の犯人を捜しはじめる。
だが、兄妹の部屋から次々と『物的証拠』が見つかり……。

 
思いっきり挿絵に惹かれて買った一冊。
あらすじの中にグロテスクなテイストがありますが、そこには目をつむりました。
 
まぁ、実際のところ、あらすじ通りグロテスクだったのですけどね。
 
それを補って余りあるのが、ヒロインの初姫。かなりトリッキィな性格をしています。
「私を食べてください」も別に色っぽい意味ではなく、言葉通りの意味ですから。
 

「自身を『生物的弱者』と断定した私は、某日、とある光景に感銘を受けました」
「その光景とは」
「昔、ハムスターが共食いをしたんです」
 やっだこの子。すっごく受けちゃ駄目なものに、影響受けちゃってるぅ。

 
生物的弱者である自分は、強者であった姉にいつか喰われる運命にあると疑っていなかった初姫。
しかし、その姉は殺され、内蔵の一部を失った状態で発見される。
そして彼女は『姉を喰った犯人に自分も喰われなければならない』という飛び散った結論に至るわけです。
 
一方、主人公の有哉も負けず劣らず変わりものなので、初姫との会話では実に軽妙で丁々発止の、いい意味でひどい会話が繰り広げられます。
もとよりクラスメイトの初姫は結局、有哉の部屋に居座ってしまうので、朝も昼も夜も、真夜中でも、終始そんな感じ。
 
とは言え、作品の中身はグロテスクなので注意が必要です。人を食べる、殺す、眼球を云々、みたいな言葉や展開が多いですので。
この作者、前作『B.A.D.』でもそういう内容で書いていたようですね。
 
そして、ラストは少しだけ物悲しいという。
 
あと、ちょっと西尾維新先生に似ているように感じました。
挿絵の感じやシスコンの主人公のせいもあると思いますが、主人公に過剰に凄惨な過去を持たせ、そこに起因する歪な家族関係が似ているように感じる原因かもしれません。
 
ほかの作品を読んでいたのですが、ちょっと読みはじめてみたら止まらなくなり、2日で読み終えました。
愉快な作品に出会えました。
内容が内容なので、お薦めはしませんけどね。
 

本日のweb拍手レス〜♪(9日10:30までの分)

−8日−
14時〜

祖語→齟齬ではないでしょーか?

そう言って槙坂先輩は、 意になってます!

 やはりまだ誤字がありましたね。ご指摘ありがとうございます。遅くなりましたが、今朝修正しておきました。

真…! かわいらしくなってきましたねー(≧∇≦) それにしても妹ちゃんも絡むとは、なかなかこみいった文化祭になりそうですね。楽しみですっ!

 真は、まぁ、相変わらず天邪鬼なだけですがー(笑 依々子ちゃん、いったい何しにくるんでしょうね。雨ノ瀬もくるし、藤間じゃないけど悪い予感しかしませんね(笑
18時〜

うちのパソコンがネット小説ランキングでウィルスを検知してるんですが九曜さんは大丈夫ですか?

 うちのパソコンだと普通に閲覧できますよ? ……確かに時々ありますよね。なぜか危険サイト扱いになることって。九曜は特に怪しげなサイトでない限りは、気にしないことにしています。