掛け算の順番問題

定期的に噴出し、つい最近も(今も?)話題になった掛け算の順番問題。
実は九曜は順番に拘るほうです。
 
例えば、リンゴが5個入ったカゴが3つあったなら、それは5×3と表すべきだと考えています。
 
このあたり小学校のときの先生が『かける数とかけられる数』をかなり丁寧に教えてくれて、それはすんなり頭に入ってきたし、今でも間違っていなかったと思っています。
その結果、九曜は少なくとも文章題においては、問題を正しく読めば式は一意に決まる、と思っています。
 
ただ、採点する側に回ったとき、式が逆だったとしても×や△をつけるつもりはないです。
逆なら間違っているとか、意味が変わるとかは思っていません。
 
さて、いい機会だったのでそのへんのことを、昨日会った兄に聞いてみました。
 
兄は優秀な数学教師です。
東大合格者を出したことのない高校に赴任し、教え子を東大に送り出したこともあります。
 
子どものころは、木か塀か、階段か、二階の窓か……毎年必ずどこからか落ちていましたが。
 
その兄に聞いてみました。
以下、面倒なので伝聞形式は省きます。
 
掛け算の順番に拘りがちなのは小学校の先生。
理由としては、『かける数とかけられる数』が指導要綱に入っているから。
 
順番を意識させるのは理にかなっていて、高校で習う行列や大学で学ぶ高度な数学ではかける順番を変えると間違った答えが出たり、そもそも計算ができなかったりするものがあります。
そういうものもあるのに、可逆性/不可逆性を論じず、雑に『掛け算に順番は関係ない』と教えていいものかどうか。
 
反対に、順番に拘りすぎるのも問題。
 
例えば、51×49は中学校数学の学習ができれば暗算で答えが出せます。
50の2乗、引く1です。
 
順番に拘ることで、こういう計算の工夫や自由な発想を阻害するかもしれない。
 
結局、どっちに重きをおいて教えるかの問題だ、
というのが兄の話でした。
 
それを踏まえると、あまり掛け算の順番に拘るべきではないのかもしれませんね。
九曜も行列は習いましたが、あんなもの高校で理系に進んで初めて出会うようなものですから。
 
とは言え、九曜はこれからも意識はするでしょうね。
そういう考え方が身についているので。