読了

異世界拷問姫』(綾里けいし)、読了。
 

異世界拷問姫 (MF文庫J)
綾里 けいし
KADOKAWA/メディアファクトリー (2016-04-25)
売り上げランキング: 2,601
 

 父親に殺された櫂人は異世界に召喚される。
 目覚めた彼に前にいたのは絶世の美女で――、
「我が名は『拷問姫』、エリザベート・レ・ファニュ。誇り高き狼にして卑しき雌豚である」
 彼女は多くの領民を拷問にかけて殺した罪で処刑が決まっていたが、死ぬ前に善行を成せと、協会から13の悪魔と契約した13人の男を殺す命を受けているのだという。
 櫂人はそれを手伝うことになるのだが……。

 
というのがこの作品のストーリィ。
 
まずはエリザベート
少なからず事情があったとは言え、嬉々として領民を拷問にかけて殺したことは事実です。
そのあたりに幻想を持っていると痛い目に遭いますね。
 
次に櫂人。
そのへんの凡百の異世界もののように、異世界に召喚された瞬間からヒーローになるかというと、まったくそんなことはありません。
でも、もう生きたくないと思っていた気持ちが次第に変わっていき、それなりにヒーローもします。
 
そして、この作品のテーマである拷問。
はっきり言えば、ぜんぜん笑えないレベルでガチの拷問なので、この作品を読んでみようと思う人は、そのあたり要注意です。
 
でも、普段のエリザベートと櫂人の軽妙な会話が、拷問の壮絶な陰惨さを打ち消しています。
……いや、微妙に打ち消せてないかも(何
 
基本的に綾里けいし先生という方は、グロテスクとコメディの人のようですね。
両極端な属性だなぁ、おい。
でも、お決まりの冒頭――櫂人が不味い食事を作り、それをエリザベートが豊富な語彙力をもって食レポしつつ文句を言うシーンは必見です。
 
多少の拷問描写なら目をつむれるという方はぜひ読んでみてください。
異世界ものも、ネット出身の作家ではなくプロが書けばひと味違ったものになるということを実感させられます。
 
そして、もし読む場合は、手に入りそうならアニメイト限定版がオススメです。
コメディ(と、ちょっとのお色気)のみで書かれた特典小説付きですので。
 
 
すみません。久しぶりに真面目に感想を書いたら時間がなくなってしまいました。
今日の残り時間は執筆にあてたいので、本日の拍手コメントへのレスはお休みさせてください。
明日まとめて書きますので。