読者のほうに下りていく

作家と担当編集者の間でよく言われることが――『読者はバカ』。
 
これは字面通り読者を馬鹿にしているわけではなく、単にもっと簡潔な言い方が見つからないだけです。
作家と担当の間ならこれで通じるので、文字数を増やしてまで正確な表現をする必要がないんですね。
 
で、何が言いたいかというと、こちらが思っているほど読者は考えて読んでくれない、という話。
 
ここは明言しなくても察してくれるだろうと思っていても、意外とそこまで考えてくれないんですよね。
こちらが思っているよりももう一段階か二段階くらい丁寧に説明してちょうどいいくらいに思っています。
 
拙作なら『佐伯さん』の本編ラスト、「病室で死んだあの人は誰だったんですか?」という質問がちらほらありました。
尤も、ここは当時の担当さんとも話して、明言するほうが無粋という結論になりましたが。
 
これは極端な例にしても、読者と作家はもっている情報量がちがいますからね。伏せられている設定や先の展開を知っている作家は、知らず知らずのうちにそれを前提にして文章を書いている可能性があります。
だからこそ、作家は読者のほうに一、二段下りていく必要があるわけです。
 

本日のweb拍手レス~♪(6日23:59までの分)

-6日-
22時~

今更なにをって感じですが九曜さんの小説とフライさんの絵が相性よすぎて大好きです

 ありがとうございます。まぁ、相性については、九曜にはよくわからないのですけどね。でも、そうだといいいですよね。
23時~

『まだ死んでなかったころ』って、また斬新な表現で・・・

 まちがってはいないかと(笑