電チャリ

母の知り合いに、母が乗っていた電動自転車をもらえないかと言われました。
 
うーん……
母はもう家には帰ってこれないだろうし、だったら自転車置き場で埃をかぶせておくよりは、誰かに使ってもらった方がいい――という理屈はわかるのですが、正直、そんな気になれません。
 
九曜の心がせまいのでしょうか。
 
と思って、何人かの同僚に意見を聞いてみたのですが、全員口をそろえて「言ってくるほうが非常識」「あげなくていい」と言われました。
普段温厚な人まで鬼の形相でした。
 
やっぱりそうか。
 
母はまだ生きているし、九曜のことを九曜だとわかって話もできるので、まだ母のものを整理する気にはなれません。
それらは入院した当時のままで置いてあって、「いいかげん片づけないとなぁ」と思いつつ未だに手をつけられないでいるのですが――たぶん根底にはそういう気持ちがあるのでしょうね。