新企画?

思いつきで書いてみる。
 

 ある日の放課後、藤間くんと一緒に明慧大の大学図書館に寄ったときのこと。
「何を読んでるんだ?」
 いくつかの資料を抱えて閲覧席に帰ってきた彼がわたしに尋ねる。今日ここにきてから、ずっと、その一冊だけを熱心に読んでいるから気になったのだろう。
「これよ」
 と、その本を藤間くんに渡す。
 
 タイトルは『キャバクラ嬢の作法』。
 
 それを見た彼はとても味のある顔をした。
「……なぜこれを?」
「学生選書コーナーにあったの」
 学生選書コーナーとは、図書館の選書委員が選ぶのではなく、学生が選書委員となって選んだ本が集まっているコーナーのこと。学生目線で選ばれた資料ばかりなのでなかなか面白い。
「いや、そうじゃなくて、なぜこれを読んでいるのかという話だよ」
「そうね――」
 わたしは少し考え、
「将来の選択肢を広げるため、かしらね」
「……」
 途端、彼の表情が複雑なものになる。
「なかなかためになるわよ。月収百万円を稼げるようになるための7つのルールとか、悩みのQ&Aとか。その業界のここ最近の変遷も興味深いわ。わたしも月収百万円目指そうかしら」
「……」
 藤間くんは固まったままだった。
 おそらく彼の本来の信条としては、人の選択肢に口をはさむつもりはないのだろう。だけど、今は目いっぱい口を出したくて仕方ないに違いない。
「冗談よ。ただ面白そうだったから読んでただけ」
「……まぁ、僕は槙坂先輩がどんな職種を選ぼうと口を出すつもりはないけど」
 藤間くんは努めて素っ気なく言うと、カウンタで借りてきたノートパソコンを開くのだった。
 むりしちゃって。

 
こうやって九曜がテキトーに目についた本で、紹介がてら超短編を書くというのはどうでしょうかね。
 

そんなわけで第2回

 ある休日の朝、
 目が覚めて、何となく起き上がる気にもならなかったので、そのままベッドの上で読みかけの本を読んでいた。
「あら? 朝から何を読んでるの?」
 いつの間にか起きたらしい槙坂先輩が、僕にのしかかりながら聞いてきた。

 
自分で書いててお腹いっぱいです(何
 
ごんなさい。実はこのふたつのネタを書きたかっただけなんです。
この企画はこれで終わっておこうと思います。