読了

『軋む楽園(エデン)の葬花少女(グリムリーパー)』(鷹野新)、読了。

 

 謎の生命体レギオンに人類が大敗した近未来。
 世界は葬花少女(グリムリーパー)と呼ばれる少女の姿をした最終兵器によって、辛うじて守られていた。そして、人々は自分たちを守ってくれる葬花少女に熱狂し、心酔していた――。
 葬花少女たちの魔法を応用して建造・管理されたドーム、東京クリサリスに住む少年・葛見は、ある日、交通事故の現場に遭遇し、人命救助の最中にレギオンに襲われる。だが、それを救ってくれたのは葬花少女隊(グリムリーパーズ)だった。
 その後、葬花少女隊のリーダー、アイリスから取り逃がしたレギオンを討伐するのを手伝ってほしいと頼まれる。葛見の勇気と正義感に心打たれたのだという――。

 
と、このあらすじだけを聞くと、最近流行の魔法少女のもので、ありがちなストーリィに見えますが、けっこう序盤でこの設定自体を見事にひっくり返されます。
ひっくり返して出てくるものは、意外とハードな世界観と絶望的状況。
 
そして、帯にある通りの『セカイで最後の恋物語』――。
 
非常に面白いです。久しぶりに手放しでお薦めできます。
あとがきがないため続くのかどうか判じがたいのですが、このままきれいに終わっておいてもいいかなという気もしますね。