『倒立する塔の殺人』（皆川博子）、読了。
戦時下の女学校。
そこでは少女たちの間で、小説の回し書きが流行っていた。
そして、この『倒立する塔の殺人』もまたそのひとつ。誰が用意したのかもわからず、ただタイトルだけが書かれて、図書室の書架ににひっそりと置かれていた。
そんな折り、ひとりの少女が不可解な死を遂げる。
空襲警報が鳴り響く中、彼女は防空壕には入らず、学校のチャペルへ行き、爆撃を受けて死亡したのだ。しかも、そこには誰ともわからない遺体がもう一体……。
果たして、『倒立する塔の殺人』は何を暴くのか？
まず最奥に回し書き小説『倒立する塔の殺人』があり、その外側にそれを順番に書いていった少女たちの手記があって、さらに、いちばん外側に主人公である阿部欣子がいるという、入れ子構造になっています。
おかげで自分が読者としてどこに立っているのか把握しにくいのが特徴的。
しかも、誰が殺され（本当に殺されたのか？）、誰が犯人で、誰が探偵役なのか、最後までわからないという。
そういう物語の構成のため、非常に不思議な感覚を味わえる面白い作品でした。
本日のweb拍手レス〜♪（１５日１２：３０までの分）
−１４日−
２１時〜
もうすぐ還暦！？？
九曜の実年齢の高さと、気持ちの若さを舐めるなよ（何
−１５日−
１０時〜
百合はビジュアル的にはgoodだが、ストーリーになるとちょっとなぁ……というのが本音かな
やっぱり好みのわかれるジャンルですかね？ とは言え、そのジャンルに属すほど百合色を強くするつもりはなくてー。
